アイリスは、ギリシャ神話に登場する虹の女神「イリス」から名付けられた美しい花です。5月に咲き誇るアイリスは、その花色が虹のように多彩で、高貴で美しい印象を与えます。そのアイリスを使ったコスメには多くの魅力があります。
アイリスとは
学名:Iris sanguinea(アヤメ)・Iris ensata(ハナショウブ)・Iris laevigata(カキツバタ)
英名:Iris(アイリス)
科・属名:アヤメ科、アヤメ属
4/17・5/5・5/10・6/6の誕生花
Iris sanguinea(アヤメ)
アイリスは、東アジアやヨーロッパ南部を原産とするアヤメ属の花々を総称した名前です。世界の温帯地域には約200種類があり、花の色は紫、青、黄、オレンジ、ピンク、白など多彩です。花びらの付け根にある目のような模様が特徴です。
アイリスは、地下茎である「球茎」を伸ばして成長します。この根茎から採取される精油はアロマオイルや香料として利用されています。
種類によって異なりますが、アイリスの開花時期は4月から7月までです。1本の茎の先端に4枚の花弁を持つ花を咲かせます。
アイリスには「球根アイリス」と「宿根アイリス」の2種類があります。球根アイリスは古くからヨーロッパで栽培されており、「ダッチアイリス」「イングリッシュアイリス」「スパニッシュアイリス」の3種類が知られています。
ダッチアイリス
「ダッチアイリス」は色のバリエーションが豊富で、日当たりの良いやや乾燥した土を好みます。
ダッチアイリス
イングリッシュアイリス
「イングリッシュアイリス」は、ダッチアイリスよりも大きな花を咲かせ、優れた耐寒性を持っています。
スパニッシュアイリス
「スパニッシュアイリス」は、寒さに弱いものの非常に香りの良い品種です。
スパニッシュアイリス
宿根アイリスには、5種類の品種があります。これらの品種は、それぞれ独自の美しさと特性を持ち、多くのガーデナーに愛されています。
シャガ(胡蝶花)
「シャガ」は「胡蝶花(こちょうか)」という別名を持ち、その上品な花は胡蝶蘭にも似ています。エレガントで優雅な花姿は、庭園を彩るのに最適です。
ジャーマンアイリス
「ジャーマンアイリス」は、「ドイツアヤメ」、「レインボーフラワー」、そして「ベアーデッドアイリス」などの別名で知られています。育てやすく、大きな花びらが特徴です。特に、フリルがある華やかなタイプは非常に人気があり、多くのガーデナーが好んで栽培しています。
ジャーマンアイリス
アヤメ(文目・綾目)
シベリア原産の「アヤメ」は、花びらの中心に独特の網目模様があるのが特徴です。これらの模様が美しいアクセントとなり、花全体に個性的な魅力を与えています。
ハナショウブ(花菖蒲)
「ハナショウブ」は、江戸時代を中心に品種改良が進められた園芸植物です。花色は多彩で、白、青、紫、斑入り、黄色などがあります。これらの色彩豊かな花は、庭園を華やかに彩り、多くの人々に愛されています。
カキツバタ(燕子花・杜若)
「カキツバタ」は、花びらに白い斑があるのが特徴で、湿気を好む性質があります。そのため、水辺での栽培に適しており、英名では「Water iris」と呼ばれています。湿地や水辺に咲く姿は、自然の美しさを一層引き立てます。
アイリスの花言葉と物語
アイリスの花言葉
紫:優雅・友情・信頼・心意気・知恵・叡智
青:メッセージ・信念・大志・希望
白:純粋・やさしさ・あなたを大切にします
アイリスの物語
アイリスの名前は、ギリシャ神話に登場する虹の女神「イリス」に由来しています。イリスは神々のメッセンジャーであり、神々と人間を繋ぐ役割を担っていました。このことから、アイリスは「神々と人々を結ぶ橋」とされ、尊厳と智慧を象徴する花として知られています。
イリスはゼウスの妻であるヘラに仕えており、忠誠心が強く、ゼウスに言い寄られても決してヘラを裏切ることはありませんでした。このエピソードから、「友情」と「信頼」という花言葉が生まれました。
古代エジプトでは、アイリスは「命の象徴」とされており、墓の壁画にも描かれていました。エジプト人は、アイリスが死者の精神を守る花として大切にしていました。
さらに、1890年の初夏に有名な画家フィンセント・ファン・ゴッホがアイリスを描いたことでも知られています。彼が描いた2点のアイリスの絵画は、それぞれ「凛とした佇まいのアイリス」と「しなやかでたおやかな印象のアイリス」を表現しており、どちらにも「アイリス」というタイトルが付けられています。
「アイリス」と「イリス」の違いは?
アイリスとイリスの語源は英語やラテン語の「Iris」をカタカナ読みしたもの。アヤメ属の植物は「アイリス」、同じ植物が描かれたゴッホの絵も「アイリス」というタイトルです。ギリシャ神話の女神の名前や、その名前から付けられた火星と木星の間にある小惑星は「イリス」とされています。この違いはラテン語では「イ」、英語では「アイ」と発音することに起因しています。
アイリスの効果・効能
アイリス根エキスの美容効果
シロバナイリスの根茎から抽出されるエキス(イリス根エキス)は、基底膜の強化や線維芽細胞の増加を促進する効果が期待されており、化粧品に広く利用されています。乾燥させた根は「イリス根」と呼ばれ、スミレに似た香りが特徴です。このエキスは、リキュールや飲み物のフレーバー、香水の調合にも用いられています。
化粧品におけるアイリスの活用
アイリス根エキスは、皮脂分泌の正常化や肌の引き締め効果が注目されています。アイリスの香りは、清潔感のある石鹸のような上品さとフローラルな要素を持ち、主成分であるイロンは、スミレに含まれる成分「イオノン」に似ており、高級香水に欠かせない魅力的な香りです。
効果・効能
アイリスの効果には、美白やエイジングケアへの期待があります。さらに、心をリラックスさせる鎮静効果も認められています。アイリスの精油は古代から珍重されてきた歴史ある香料であり、そのエレガントでパウダリーな香りは高級香水に用いられています。
アイリス(イリス根エキス)配合のコスメ
【ARGITAL】ブライトニング アイリススクラブ
アルジタルはイタリア・シチリア島で誕生した本格オーガニックスキンケアブランドです。このブランドの魅力は、シチリアの豊かな自然から得られるグリーンクレイを使用していることにあります。
グリーンクレイは浄化効果が高く、シリカをはじめとする豊富なミネラルを含んでいます。この海由来の成分が、肌に多くの恩恵をもたらします。また、アルジタルでは、自然素材に人の手を使って振動させる独自のダイナミゼーションという工程を加え、パワフルで効果的な製品を生み出しています。
特に「ブライトニング アイリススクラブ」は、アイリスの根を使用し、皮膚を傷つけることなく、明るく滑らかな肌に導いてくれます。
やさしい使い心地のフェイススクラブで、刺激が気になる敏感肌の方にもおすすめです。古い角質や乾燥はごわつき・くすみの原因に。マッサージで肌をほぐしながら、ダマスクローズなどの植物由来のたっぷりのうるおいを与えます。洗い流せばしっとりやわらか、くすみの晴れたツヤ肌に。心までほぐれるようなローズの香り。
アルジタル 公式サイト
「天然の成分のみでできていて、スクラブ自体もソフトな肌あたりでとっても好みでした。 クレイベースなので、お肌がワントーンアップする感じと、ツルツル感が気に入っています!」混合肌の方はクレイベースで余分な皮脂や角質がやさしくケアできるところがお気に入りポイントです。
「今までで一番合うスクラブでした。赤くもならなかったし、しっとりさえしました。」敏感肌の方にも合う貴重なアイテムです。ダマスクローズの保湿成分でしっとり。
Dr Renaud(ドクタールノー)クレームスターリフトイリュス N
フランス発のナチュラルドクターズコスメ、Dr Renaud(ドクタールノー)は、オーガニック植物成分を中心にしたサロン用スキンケア製品を提供しています*。このブランドは、皮膚科医ルノー博士によって1953年に生み出され、個々の肌の悩みに対応するために設計されています。
自然の恵みは誰にでも与えられるものですが、すべての人に同じように有用であるわけではないため、それぞれの肌タイプや悩みに合わせたシリーズがあります。Dr Renaudは、植物の力を最大限に引き出す処方にこだわり、自然由来の成分に加えて、必要に応じて他の成分も使用しています*。
特にエイジングケアラインのイリス ソワン アンテージュは、アヤメ科の球根から抽出したイリス根エキスを配合しています。このシリーズは真皮層に働きかけ、たるみケアに特化しています。Dr Renaudの製品は、肌の自然な美しさを引き出すための優れた選択肢です。
*(ナチュラルドクターズコスメであるドクタールノーは自然由来以外の成分も含んでいます)
「クリームを塗布するとキュッとリフトアップしていく感じが気に入ってます。浸透もよく、香りも優しく優雅な香り。」サロンではリフトアップのメニューに取り入れられています。
「使い始めて数日すると何だか目元が明るくなってきたんです!
気のせいかなと思ってましたが目の下がふっくらとして影が取れて明るくなってました。」使い続けるほどに良さを感じる…オーガニックコスメの特徴ですね。
真皮層の老化に伴うたるみ毛穴の改善には、肌のハリや弾力を回復させることが欠かせません。特に、イリス根エキスはその引き締め効果や基底膜の強化作用から、たるみケアに効果的です。
イリス ソワン アンテージュには、オーガニックのイリス根エキスが配合されており、肌の水分バランスを整え、ハリのある肌へと導いてくれます。
製品にはオーガニックのイリス根エキスが含まれていますが、全成分が自然由来100%ではない点に留意する必要があります。それでも、自然の恵みを活かした肌の美しさをサポートするDr Renaudの製品は、肌のトータルケアに貢献します。
まとめ
アイリス(イリス)は、シロバナイリスの根茎から抽出されるエキス(イリス根エキス)が、基底膜の強化や線維芽細胞の増加を助けるとされ、多くのコスメ製品に配合されています。また、その乾燥した根は「イリス根」として知られ、上質な香りを放つことでも知られています。アイリスは、リキュールや飲料のフレーバーや香水の調合にも広く使用されています。コスメ業界では、美白効果やエイジングケア、皮脂のバランス調整、肌の引き締め効果が特に注目されています。また、スミレのようなエレガントでパウダリーな香りもその魅力の一つです。